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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁

青空文庫

島津の目付が、町奉行の下働きになったなど、いつ頃からか、後学のために聞こう。四ツ本、いつから、町奉行の下役になった?」

仙波の表に、二三人の人が立って、二人の高声を聞いていた。小太郎も、七瀬も、姉妹も、不安な胸の中にも、四ツ本をやり込める父の言葉を微笑しながら、聞いていた。小太郎は、四ツ本から見えるところへ、身体を出して、左手に太刀を立てて、じっとその顔を睨みつけていた。

四ツ本は、八郎太が、こんな強硬な態度で、こんな理窟をいおうなどと、考えてもいなかった。蒼白になって、拳を顫わせていた。云い込められた口惜しさに、脣が、びくぴく痙攣していた。

「よしっ――」

四ツ本は、鋭く叫んで、身体を斜にした。そして

「道具を運び出せっ」

と、小者の方へ、手を振って指図した。小者が一足踏み出すと、八郎太が、式台へ片足を音高く踏み下ろして、脇差へ手をかけた。小太郎が、兎のように飛び出て来て、三尺に近い刀を、どんと、式台へ轟かした。小者達は、そのまま止まってしまった。

「何うなされた」

表に見物していた家中の一人が、入って来て、声をかけた。四ツ本は、激怒で、口が利けなかった。