輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁
勝は頷いた。
「あれが、やがて、日本の旗印となりましょう――そうありたいと心得ます」
斉彬は、微笑して
「水戸の浪人等が、わしを担いで、倒幕の戦を起そうとしているのを、勝は、信じているかの」
「浪人の手では起り得ませぬが、或いは、幕府自ら、倒れるかも知れませぬ。古今興亡の歴史を顧みまして、三百年は、永い天下でござります。一新すべき時が参っておりましょう。手前、せめても、それに対して善処をしたいと――史上に見る、悲惨な末路に、将軍を陥れたくないと、それのみ、心痛しております」
「勝は、私事を捨てて、天下の難に赴きうる。わしは、それが、羨ましい。わしの身辺には、紛擾、ますます頻出して――」
斉彬は、そこまで云って、黙ってしまった。安房も、暫く、黙っていたが
「お察し申し上げます」
と、俯向いて云った。
「もう、勝にも、逢えんかもしれぬ」
勝は、顔を上げて、斉彬を見て
「それは?」
「お身のような、人材の居るのを知って、安心をした。わしは、ここ三十幾年、安心というものをしたことがなかった――ほっと、重荷を、降ろしたように感じる。こういう時に、人間は、えて、病などに罹るものじゃ。