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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁

青空文庫

「おれは、斉興を、主とも頼まぬが、久光も、また、主とも頼まぬ。天下のことは、自分一人で、天下と共に、天下の勢いと共に、天下の士と共に、成し遂げて見る」

西郷吉之助は、こうした決心をした。そして、同じ心の人々は、斉彬の遺業が、斉興の手にて、破壊されると同時に、斉彬の志を奉じて、それぞれ、諸国に奔った。上士は、勤王、倒幕の遊説の士が、城下へ入るのは、防いだが、軽輩が、そのために、脱出するのを、とめはしなかった。

止めることは、激発させるおそれもあったし、一人でも、そうした男のいなくなることは、自分を安全にする道であった。上士にとって、斉彬は、理解のできぬ、大きい陰影のようなものでもあった。そして、その死と共に、それが消失すべきであるのに、だんだんその影が大きく、強くなるのに、困った。そして、その影を、消し、払うことのみに努めていた。

(兄の、遺志を、どこまでも継いで――)

その日の夜から、久光は、そう考え、そう決心をしていた。

だが、その日の夜から、重役達は、久光を除いて、密談をしていたし、その翌日、上士階級の人々は

(もう一度、斉興公に――)

と、話をしたし、その次の日には、久光が斉彬に代って、目をかけてやろうと、考えていた人々が、久光に冷やかな目を向けたし、それから、幕府は、斉彬を頼みとしていた、その一部分