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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《春泥・三の酉(しゅんでい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,075 字 · 173 頁
で、そのあと、三人が家へ帰ると、茶の間には、もう、あか/\と眩しいほどのあかりがついて、大きなチャブ台の上に、のり切れないほどの、たくさんの料理の皿が並んでいたばかりか、長火鉢の、たッぴつにつがれた火のうえにかゝった鍋の中には、みるから食慾をそゝるおでんが、ふつ/\と煮えていた。
そして、それらの、さかなやからとゞいた鯛の刺身だけを除いて、あとは、みんな、台所のばァやの手ごしらえばかりと聞いて、おさわの、どんなに驚いたことか……
――さ、何んにもないけれど……
と、白雨さんは、自分で銅壺からチロリをだして、“まァ、一つ……”とついでくれ
――このおでんだけは、いさゝかわが家の自慢でね……
といった。
――ほんとよ。……ほんとにそうなのよ。
と、年ちゃんも、その尾について
――何がいゝ? ……とって上げるわ……
――じゃァ、すじと、お豆腐を……
――大根は、どう? ……よく煮えてるわ……
――だん/\にいたゞくわ。
なるほど、自慢だというだけのことはあった。……一ト口、口に入れて、すぐにわかった。
――結構ねえ。……たゞじゃァないわ、このお味……