輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《私本太平記(七)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 330,262 字 · 662 頁
すると、すぐそのあとのことである。――夜の戦野から拾ッて来たと称して、物見組の一将校が、二人のかよわい者を連れ、おそるおそる尊氏の陣幕へそれを告げに来ていた。
尊氏はおどろいた。その物見組の一将校が語るのを聞けば――
「されば、有馬街道から西の野末でございました。ひるの合戦に、そこらは馬のかばねやら兵のむくろが算をみだしておりまする。しかるに、歩みも遅々と、夜風の中をさまようている不審な人影が見えますゆえ、馬をとばして行き、何者かと呼びかけまするに、逃げもせず、新田殿の者か、足利どのの内かとたずね返しまする。――おおよ、おれどもは足利方だと言って聞かせますと、ならば御陣所へ連れて行って給われと、母子して訴えるではございませぬか」
「で、伴うて来たわけよな」
「はっ」
「草心尼とはいわなかったか。ひとりは、覚一法師とも」
「やはりお心あたりのある者で?」
「む、ちと有縁の者だ。すぐこれへつれて来い」
有縁どころか、尊氏には叔母にあたるひと、また、いとこにあたる覚一なのだ。それにせよ、どうしてこんな戦場の夜をさまようていたものか。
まもなく丘の下から兵にともなわれて来るたどたどしい二人があった。