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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《私本太平記(七)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 330,262 字 · 662 頁
風花
知らず、ただ大殿が行く所へ」と、いのちを託していたのだった。
かくて由比ヶ浜を西へこの一勢が急いだときは、老兵童卒を加えおよそ六、七百の兵数にはなっていた。
風花
時は、真冬だった。諸書に
建武二年
十二月八日
鎌倉をお立出で……
と一致しているから、尊氏の発向は、この日とみてまちがいないが、以後の合戦中には、
「タビタビノ氷雨」
とか、
「終夜ノ風」
とかの記録がまま出て来るから、終始、天候はよくなかったようである。
ところで作者はよくものしり顔に古書の端々を引きあいにもちだすが、これは決して物語の辻褄をあわせるための手段ではない。必要な脚色や小説模様はわたくしもわたくしなりの仕立て方で染め上げてはいるが、素材の史糸はどこまで史家の糸で織って行きたいと思うし、またすこしでも往時の実際を紙背に読む読者の試案にもなろうかと、折にふれお目にかけているにすぎない次第である。
大体、古典の戦記物なる物では、たたかいの奇略、一騎打のさま、筆を惜しまず、つぶさな描写はこころみられているが、これを絵画的でなく、理念でたどると、しょせん現代人にはウ呑みにできかねる。
たとえば、このさいの、