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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《私本太平記(七)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 330,262 字 · 662 頁

青空文庫

ひびき灘

「児戯? 何で正季の仕置が児戯でしょうか」

「打ってどうなるのだ」

「腹にこたえさせてやるのです。いずれはすべて尊氏の耳に入ること」

「尊氏に笑われたいか。さような児戯、尊氏は大いに笑うだろう」

「兄上は尊氏が恐ろしいのですか。宮(大塔ノ宮)を殺した怨敵、みかどの逆臣、世をみだす乱賊。あの尊氏が」

「……。小六、何しておる」

正成は、弟へ答える代りに、桐山の小六へ、あごをしゃくって、

「介どのを連れて、はやく行け。介どのも、気にかけるな。はや立たれよ」

と、せきたてた。

小六は部下と共に介の身をとりかこみ、すぐ邸外へ出て行った。用意の馬に介を乗せ、自分も騎馬となって、たちまち、水分をあとにしていた。

彼は途中で見た。

おなじ館から今日半日の遊楽にみたされてぞろぞろ帰って行く老幼男女の影や散所芸人たちの群れをである。――介は、不思議な国をいま訣別してゆく感だった。この郷での過去さまざまな見聞も思い出され、ふたたび、ここへ来る日はあるまいと思うにつけ、何か、第二の故郷でもあるように、金剛山が振向かれた。

ひびき灘

ことし、またも改元(年号改め)がおこなわれた。

どうもこれまでの建武という称もおもしろくない。