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こどもふどき
こども風土記・母の手毬歌
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《こども風土記・母の手毬歌(こどもふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 142,761 字 · 278 頁
隠岐島の海士村などでは、この日の祈願にさきだって、浜の小石を千個だけひろいよせて、めいめいがそれを一つずつ手に持って、お参りしては拝殿に置いてくるそうである。人がこれだけ一心になると、たとえば船がよその港ににげこみ、または嵐と入れちがって無事に帰ってきたとすれば、それを千度参りの力だと思い、また神さまのお助けと信ぜずにはいられなかったはずである。
そうしてこの浜の小石というのは、本来はただの数取りではなかったのである。すなわち海の潮をもって、まず身と心を潔くしてから、祈りを神に申すという意味があった。海から遠くはなれた山奥の村々でも、雨乞いその他の切なる願いがある場合に、やはり川の流れにひたって一つずつ小石をひろい、それを手に持ってぬれたままで参ることが多い。それを千度垢離とも千願垢離ともいうのは、多くの人がくわわり、また数多く参るからでもあろうが、もとは瀬垢離であったと見えて、これをまたセンゴリという村も少なくない。三河の山村ではこういうさいに、七ヵ所で水を浴びるので七瀬垢離といい、遠州の気多川すじではまた五十瀬百瀬などといって、だんだん上流のほうへ場所を変えて、水垢離を取ってお参りをする者もあるということである。