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こどもふどき
こども風土記・母の手毬歌
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《こども風土記・母の手毬歌(こどもふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 142,761 字 · 278 頁
念木・ねんがら
てみるという信仰があったのである。
それよりも今一段と子どもらしい方法、したがって今では子どもしか試みない戯れに、鉤引というものがあることは知っている人が多かろう。東北ではこれも小さな木の枝の鉤で、それ故に主としてこれに用いられるしなの木などを、今も子どもはカギヒコノキと呼んでいる。この遊びをする日が、特に正月の松の内となっているのは、由来の久しいことかと思う。他の地方に行くと春もたけてから、路傍の車前の茎を折曲げて引懸け引張り、または菫の花の馬の首のようになった部分を交叉して、むしろその首のたやすくもげて落ちるのを、笑い興ずるようになっているが、二つは最初から別々の遊戯であろうとも思われない。すなわち、子どもの遊びには遠い大昔の、まだ人間が一般に子どもらしかった頃に、まじめにしていたことの痕跡があるのである。
念木・ねんがら
こういう話をしていると、自分の幼いころが際限もなく思い出される。秋の末に稲が刈り入れられて、水田の土がまだじくじくと柔かい時分に、日が暮れて寒くなるまで家に帰ることを忘れ、着物をよごして来てよく叱られた遊びがある。関東ではひろくネッキともネンボウとも呼んでいるが、それがまた木の鉤のさきを尖らしたものを、柔かい田の土などの中に打込んで、相手の立てたのを倒す遊びであった。