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こどもふどき
こども風土記・母の手毬歌
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《こども風土記・母の手毬歌(こどもふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 142,761 字 · 278 頁
一〇、昔の屋根縫い
家にはいると屋根裏の見えるものが多く、そうでなくともツシという竹や木の棒をわたしただけの二階で、風が吹く日には、すき間からごみが落ちてきた。板をびっしりと張ったほうが見たところもよいので、大工にすすめられると、たいていは板天井をつけることにしたが、草屋根のためには、これは損なことだった。こういう家では、よほど大きな破風の窓を開いて風通しをつけないと、家のなかのしめった空気が上に滞って、屋根のいたみが早いだけでなく、炉の煙をじかにあてて燻して、防腐をすることもできなくなる。もっとこまったことには、天井は鼠の牧場となり、猫をたびたび征伐につかわさぬかぎり、鼠算といってたちまち繁殖してしまう。それをまた狙って青大将という蛇がそとから入ってくるのだが、この蛇は屋通しという別名もあるくらいで、しばしば屋根の萱や藁のわずかなすき間から出入りして、飛んでもない大きな穴を明けるのであった。そうして草屋根の保存年限が、三十年のものなら二十何年しかもたなくすることを、板天井を張る大工たちには、気づかぬ者もあり、または気にしない者もあったのである。
一〇、昔の屋根縫い
草屋根が次の葺きかえまで、何十何年ほど持つかということは、労力のうえから見ても農家には重要なことであった。