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こどもふどき

こども風土記・母の手毬歌

柳田 国男

線上閱讀柳田 国男《こども風土記・母の手毬歌(こどもふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 142,761 字 · 278 頁

青空文庫

六、狩と伐木と旅行

一年の間にやっと一度か二度、もしくは今一段と稀々にしかおこらぬ事件で、人がそのために全力をふるい、精魂をつくして働かねばならぬようなさいにも、やはりふだんとはまったくちがった食べ物を用意し、かつできるならば酒もそえて、日ごろは一座で食事をすることもないような人たちと共々に、あらたまった気持でしかも楽しく食べていたのである。かぞえあげて見るとそういう機会は多かった。戦いも昔からその一つで、いそがしくなれば食事どころではなかったろうが、出陣の始めの日とか凱旋のよろこびの日とか、そうでなくても明日は決戦という前の晩とかには、たいていの場合この食べ物が出た。慰労にも前祝いにも、常の通りの膳立てでは、とても引きしまった晴れの感じにはなり切れなかったのである。日本の食事の習慣が、戦国時代と呼ばれている室町期のおわりの頃、諸国に小さな戦争の非常に多かった百年ほどの間に、目に見えて大きく変化した理由は、まったく戦時の食べかたの常とちがっていたためであった。

六、狩と伐木と旅行

戦とくらべると事はずっと小さいが、人が家々から出て大きな働きをするという点で、よく似ているものには狩倉があった。