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こどもふどき

こども風土記・母の手毬歌

柳田 国男

線上閱讀柳田 国男《こども風土記・母の手毬歌(こどもふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 142,761 字 · 278 頁

青空文庫

悪戯に独創のものが少ないのもそのためであった。

大阪郊外の村里などにも、八月十五夜の団子突きがつい近ごろまであったが、あれは全国的といってもよいほど、各地の子どもに知られている悪戯であった。細い長い竹竿のさきに、縫針や釘などを附けたものさえ関東にはあった。それを垣根の隙からそっとさし入れて、縁端のお月見団子を取って行くのである。中には家の人たちがいる前で、さして来てやったと自慢する子がある。取られた家でも笑いながら代りを補充したり、または十五夜団子は盗まれるほど好いと言ったり、その盗んで来たのを貰って食べると、何かのまじないになるという人さえあったのだから、面白くてたまらなかったわけである。

一方にはまた御手本といってもよいものがあった。村に嫁迎えがあると若い衆はよく酒をねだる。これを樽入れ、笊転がしなどといって、そっと背戸口から空の容器を持込み、知らぬ間に持って行くのが普通だったが、或いは竿のさきに樽を結わえて、高塀の外からぶら下げるという例も多く、熊野などではこれを釣瓶さしと呼んでいた。これも家の方では快く入れてくれるのだが、顔を見られまいとするところに一種の冒険味があった。