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こどもふどき

こども風土記・母の手毬歌

柳田 国男

線上閱讀柳田 国男《こども風土記・母の手毬歌(こどもふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 142,761 字 · 278 頁

青空文庫

狐あそび

狐あそび

信州小県郡の民謡集に、鬼遊びの童詞が七章まで載っている。

鬼の来るまで 洗濯でもしやしょ

鬼の来るまで 豆でも炒りやしょ

がら/\がら/\ 石臼がら/\

豆はたきとん/\

鬼を激昂させる手段として、東京でも洗濯だけはいうが、こうなると、もう一つの演劇であって、しかも作者は土地の子どものほかにありえない。あるいは文句を他所から聞き覚えて、呪文のようにそれを守り、または若干の作意を加えたものが鬼きめの言葉には多い。羽後の大館附近に行なわれていたのは、

隠れぼっちにかたなの者は

しんざのこちゃのれんげの花

これを新沢という村の麹屋のことのように思っていたそうだが、実は非常に古くからある小さ子法師、すなわち一寸法師の物語であった。江戸でも早くから意味が分らなくなって、チーチャコモチャ桂の葉などとうたっていた。備前の岡山では、

つーちゃこもちゃかずらの葉

ねんねがもったらちょと引け

すなわち東北は遠いだけに、まちがいが幾分か大きかったのである。

鬼きめというのは、小さな握り拳を並べさせて、歌の文句に合せてその上を突いて行くのだが、その言葉にも遊戯の趣意を説こうとする、序曲のような役目があったのかも知れぬ。