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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

線上閱讀徳冨 健次郎《みみずのたはこと(みみずのたわこと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 265,437 字 · 530 頁

青空文庫

(二)春雨

若い者が大勢大師様の参詣に出かける。

春だ。

恋猫、恋犬、鶏は出しても/\巣につき、雀は夫婦で無暗に人の家の家根に穴をつくり、木々は芽を吐き、花をさかす。犬のピンの腹ははりきれそうである。

夜は松の心芽程の小さな蝋燭をともして、雛壇が美しかった。

(二)春雨

三月六日。

尽日雨、山陽の所謂「春雨さびしく候」と云う日。

書窓から眺めると、灰色をした小雨が、噴霧器で噴く様に、弗――弗と北から中ッ原の杉の森を掠めて斜に幾しきりもしぶいて通る。

つく/″\見て居る内に、英国の発狂詩人ワットソンの God comes down in the rain 神は雨にて降り玉う、と云う句を不図憶い出した。其れは「田舎の信心」と云う短詩の一句である。全詩は忘れたが、右の句と、「此処田舎の村にては、神を信頼の一念今も尚存し」と云う句と、結句の「此れぞ田舎の信心なる、此れに越すものあらめやも」と云う句を覚えて居る。

農村に天道様の信心が無くなったら、農村の破滅である。然るに此信心は日に/\消亡して、人智人巧唯我唯利の風が日々農村人心の分解を促しつゝあるのだ。少しでも農村の実情を見知る者は、前途を懸念せずには居られぬ。