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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
線上閱讀徳冨 健次郎《みみずのたはこと(みみずのたわこと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 265,437 字 · 530 頁
五
「毎月ね、」辰爺さんは声を落して囁いた。「毎月ね、三円宛やりますよ。それから兄の所から三円宛ね、くれますよ。ソレ小遣が足りねえと、上祖師ヶ谷の様にならァね」
「月に六円宛、其れは大変だね」
「岩もね、其当座は腹が減って困ったてこぼして居ましたっけ。何しろ麦飯の七八杯もひっかけて居ったンだからね。酒保に飛んで行き/\したって話してました。今じゃ大きに楽になったってますよ。最早あと一年半で帰って来ますだよ」
農家から大切な働き男を取って、其上間接に小使としての税金を金の乏しい農村から月々六円もとる兵役と云うものについて、美的百姓は大に考えざるを得なかった。
五
母屋では、最早仕度が出来たと見え、棺が縁の方に舁き出された。柿の木の下では、寝た者も起き、総立になった。手々に白張提灯を持ったり、紙の幟を握ったり、炬火をとったりした。辰爺さんはやおら煙草入を腰に插して鉦と撞木をとった。
「旗が先に行くかね、提灯かね?」
「冥土の案内じゃ提灯が先だんべ」
「東京じゃ旗が先きに行くようだね、ねえ先生」
「東京は東京、粕谷は粕谷流で行こうじゃねえか」と誰やらの声。
「炬火が一番先だよ」