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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
線上閱讀徳冨 健次郎《みみずのたはこと(みみずのたわこと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 265,437 字 · 530 頁
天理教の祭
立とまっては耳を傾け、答なき声を空林にかけたりして、到頭甲州街道に出た。一廻りして、今度は雑木山の東側の径を取って返した。提灯は径を歩かして、余は月の光を便りに今一度疑問の林に分け入った。株立になった雑木は皆落葉して、林の中は月明でほの白い。櫟から楢と眼をつけ、がさ/\と吾が踏み分くる足下の落葉にも気をつけ、木を掘ったあとの窪を注視し、時々立止って耳を澄ました。
居ない。終に何者も居ない。土の下も黙って居る。
(明治四十二年 十二月二日)
天理教の祭
おかず媼さんが、天理教会秋祭の案内に来た。
紙の上の天理教は見て居るが、教会を覗いた事は未だ無い。好い機だ。往って見る。
下足札を出して、百畳敷一ぱいの人である。正面には御簾を捲いて、鏡が飾ってある。太鼓、笙、篳篥、琴、琵琶なんぞを擁したり、あるいは何ものをも持たぬ手を膝に組んだ白衣の男女が、両辺に居流れて居る。其白衣の女の中には、おかず媼さんも見えた。米俵が十数俵も神前に積まれて、奉納者の名を書いた奉書紙が下げてある。
やがて鳴物が鳴り出した。
太鼓の白衣氏が撥を握って単調な拍子をとりつゝ
「ちょっとはなし、神の云うこと聞いてくれ」