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さんごくし
三国志
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 161,356 字 · 323 頁
それがしは、潁州の石広元と申し、てまえの前におる壮士は、汝南の孟公威という者でござる」
玄徳は、失望しなかった。なぜなら石広元といい、孟公威といい、いずれも襄陽の学界で著名な人士である。ここで会ったのは何よりの幸せ、相伴って臥龍先生の廬を訪おうではないか――と彼がすすめると、石広元は、かぶりをふって、
「いやいや、われらは山林に高臥し、懶惰になれた隠者ですから、いかで治国安民の経策になどかかわれましょう。資格のない人間どもです。まずまず、臥龍をお訪ねあるが何よりでしょう」
と、巧みに避けた。
やむなく玄徳は二人にわかれて、居酒屋の戸外へ出た。雪は相変らずひょうひょうと降りしきっている。供の関羽、張飛たちも、きょうばかりは黙々と雪を冒してゆくばかりだった。
やがて岡の家――孔明の廬たる柴門へようやくたどりついた。柴を叩いて、先生ありやと、先日の童子に在否を訊ねると、
「はい、何だか、きょうは書堂の内にいるようです。あの堂です。行ってごらんなさい」
と、奥を指した。
三
供や馬を柴門の陰に残して、関羽、張飛のふたりだけを連れ、玄徳は雪ふみ分けて、園の奥へ通って行った。