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めいじげきだん ランプのもとにて
明治劇談 ランプの下にて
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《明治劇談 ランプの下にて(めいじげきだん ランプのもとにて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,283 字 · 329 頁
十一年(戊寅) 一八七八
○八月七日、三代目桜田治助死す、七十六歳。明治以後は多く振るわざりしが、江戸末期における著名の狂言作者の一人にて、黙阿弥らの先輩なり。「鬼神お松」「鈴木主水」「おその六三」「明がらす」など、その当り作として知らる。浄瑠璃にも有名の作少なからず。
○十月十三日、五代目坂東彦三郎、大阪に客死す、四十六歳。江戸末期より明治の初年にわたる名優の一人にて、団十郎、菊五郎も一時は彼に圧倒されたるなり。
○十二月、新富座にて「黄門記童幼講釈」を初演。団十郎の水戸黄門、菊五郎の河童の吉蔵、仲蔵の盲人玄碩、いずれも好評。
十一年(戊寅) 一八七八
○二月二十三日より新富座にて、西南戦争を脚色したる「西南雲晴朝東風」の通し狂言を上演。八十余日間打ち通して、古今稀なる大入と称せらる。明治時代における長期興行のレコードなり。
○五月十二日、五代目市川門之助死す、五十八歳。江戸以来著名の女形なり。
○六月、新富座の本建築落成。七、八の両日を以て盛大なる開場式を行い、顕官紳士一千余名を招待す。舞台開きの狂言は「松栄千代田神徳」にて、団十郎、菊五郎、左団次、仲蔵、半四郎ら出勤。いわゆる新富座時代はこれより始まる。