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めいじげきだん ランプのもとにて
明治劇談 ランプの下にて
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《明治劇談 ランプの下にて(めいじげきだん ランプのもとにて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,283 字 · 329 頁
子供芝居
「日高川」の船頭などはやはり彼の専売であった。
その後、かれは老いていよいよ凋落した。せがれの福助は歌舞伎座で立女形ともいうべき地位を占めているにもかかわらず、かれは旅廻りや小芝居廻りの俳優となって、公園の宮戸座や、赤坂の演伎座などへも出勤するようになった。
「昔のことを考えると、まったく夢ですね。」と、かれが昔の全盛時代を知っている老人は鼻をつまらせた。
こういう少数の同情者に永久のわかれを告げて、かれは明治三十二年の正月にこの世を去った。年は七十歳であったという。その三回忌の三十四年に、せがれの福助が五代目芝翫となり、更に五代目歌右衛門となったのである。
子供芝居
子供芝居の流行、それもその当時の記憶に残っている一つである。
子供芝居なるものは江戸末期から明治初年にかけて頗る流行したのであるが、その後しばらく中絶していた。それが明治三十年に至って復活したのは、どういう動機から来たのか私は知らない。同年三月、歌舞伎座で子供芝居を興行し、丑之助、英太郎、権三郎、団子、三田八などが出演して好評を博したのが、そもそも子供芝居流行の原因を作ったのであると説く人もあるが、それは短期の興行であって世間一般の人気をひいたとも思われない。