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めいじげきだん ランプのもとにて
明治劇談 ランプの下にて
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《明治劇談 ランプの下にて(めいじげきだん ランプのもとにて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,283 字 · 329 頁
日露戦争前後
わざわざ大阪から呼び迎えた我当がその始末である上に、羽左衛門といい、中車といい、幸四郎といい、今日でこそみな一方の旗頭であるが、その当時の家橘や八百蔵や高麗蔵では、まだ十分に観客の人気をひく訳には行かなかった。彼らがたとい上手であろうとも、所詮、団十郎菊五郎あっての家橘八百蔵高麗蔵で、かれらがひとり立ちで歌舞伎座の大舞台を踏まえることは覚束ないと認められていた。それやこれやが影響して、この興行は失敗に終った。第二回は十一月二十一日から開場して、狂言は一番目「菅原伝授手習鑑」、中幕「壺坂霊験記」、二番目「三日月」、大切「廓文章」という列べ方であったが、今度は芝翫が抜けたので一座はいよいよ寂しく、これも結局不入りのうちに閉場することになった。
「団十郎菊五郎がいなくては、木挽町も観る気になりませんね。」
こういう声をわたしは度々聞かされた。団菊の歿後に洪水あるべきことは何びとも予想していたのであるが、その時がいよいよ来た。興行者も俳優もギロチンにのぼせらるべき運命に囚われたかのように見えた。
日露戦争前後
その当時、他の劇場はどうであるかというと、明治座は六月以来休場していた。