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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《私本太平記(七)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 330,262 字 · 662 頁

青空文庫

この時からして、九州宮方の合い言葉は、

「尊氏に筑紫を踏ますな。――遁亡の将尊氏ごときに、一歩でも九州を踏み荒させてなるものか」

であった。

また、

「まずそれには、尊氏と通じている太宰府を陥せ」

でもあった。

太宰府へ向う途上、諸所において、少弐一族の抵抗はみたが、穴川口の戦い、太田清水の一戦、水木の渡し、菊池勢は行くところ破竹の勢いでそれらに勝った。

これへ、秋月寂心の兵数千も味方に参じ、日和見だった深堀、龍造寺、相良、杉、富光などの小武族も、ぞくぞく陣へ投じて来る。で、全兵力はたちまち二万をこえ、全九州も風靡するかのような勢いで、延元元年二月二十七日には、もうこの大兵力のため、少弐妙恵の守る太宰府――宝満山のふもと有智山の城――は十重二十重にとりかこまれていたものだった。

ささえうるはずがない。

妙恵の子頼尚は、尊氏の迎えに赴いて遠くにあり、兵も連れて行ったので、ほとんど、ここは手薄だったのだ。

しかし、少弐妙恵は、よく防戦した。

太宰府の居館を焼かれたので内山にたてこもり、一族の託磨、中村などの少数を督して、よく一日半ほどは、死力のふせぎに敵の大軍をてこずらせた。