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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(二)八人芸の女(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,562 字 · 291 頁
九
「灯を消したのは、幽霊の真似をして忍んで来るお喜多と逢引するためだったろう。それはよく解るが、子刻過ぎに死骸を見つけた時、灯がカンカン点いていたのはどうしたわけだ」
「えッ」
「お喜多が下手人なら、暗いところで逢引して、綾吉を殺してから、灯を点けて逃げたことになる――幽霊姿のお喜多がだよ」
「占めたッ、親分、それでお喜多の疑いは晴れた。笹野の旦那にお願いしてお喜多を許して貰いましょう」
「待て待て八、まだ話がある」
平次の声を背後に聞いて、八五郎はスッ飛びました、八丁堀へ――。
九
「お喜多、打ち明けて言ってくれ。八の野郎が面喰らって縛ったのはいかにも悪かったが、お前にも落度はないと言えまい――」
「親分、とんでもない。八五郎さんなんかを怨んじゃいません。もともと私の悪戯が過ぎたんですから」
お喜多は、自分の家へ帰って来ると、そこに待ち構えていた平次の前へ、面目次第もない面を伏せました。
八丁堀からの道々、いろいろ八五郎に聞かされて、二人の母親同士の関係もわかり、平次の骨折りも呑込んで、すっかり打ち解けた心持になっていたのでした。
「この上は本当の下手人を挙げて、皆んなを安心させてやりたい。