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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(二)八人芸の女(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,562 字 · 291 頁
四
「そんな事はありません。私が締めた上、御新造さんが一々見廻りますから」
「外からコジ開けた様子のないところを見ると、お咲が自分で開けたんじゃないかな」
「そうかも知れませんよ。雪の降るのを、宵から大変気にしていた様子ですから、小用に起きたついでに空模様でも見たんでしょう」
お金はなんのこだわりもありません。とにかく、雨戸は一枚開いたままだったとすると、お咲が開けて外の下手人を呼込んだか、家の者がお咲を殺して、刃物を隠した上、下手人が外から来たように見せかけるために、雨戸を開けたか、――でなければならないわけです。
「どっちにしても、正面から匕首で胸を突かれたくらいだから、下手人はよく知ってる者に違いない」
三輪の万七の言う結論は、今のところ間違いのないことでしょう。
四
主人の幸七は夜中から先は何にも知らず、小僧の角太郎は寝間が遠い上に大寝坊、泊り合せた番頭の徳兵衛は、
「御新造様が、二本つけて下すったんで、すっかり好い心持に寝込んでしまいました。今朝の騒ぎを聴いて飛起きるまで、何にも存じません。ヘエ」
少し光って来た、四十男の前額を撫で上げます。
「二合は御馳走過ぎるね」