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こどもふどき
こども風土記・母の手毬歌
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《こども風土記・母の手毬歌(こどもふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 142,761 字 · 278 頁
どうして草屋根の、あの三角は飛ぼうとしているか。これもすこし考えて見ればわかることで、つまりは材料の萱がもうないのである。萱にはいくつかの種類があるが、まず東京でいう薄尾花のことで、郊外のわたしの家の狭い庭でも、お月見に插すくらいなら、栽えなくとも自然に生える。しかしそれを苅りあつめて一軒の屋根を葺くには、萱野というものが近くになければならぬ。大きな家ならば、五年三年の前から心がけて苅りためておくか、また遠くへ人をやって、えらい入費をかけて集めてこなければならぬ。厚く丈夫に葺いた萱屋根は、三十年以上はもち、たくみに插萱をすれば、五十年は葺きかえをせずともよいと言われている。その代りには、さあ葺くべしとなると、ちっとやそっとの萱野では追い付かぬのであった。それで本家とか旧家とかいうような、もっとも念入りの葺きかたをしていた家から、最初にこれをやめて瓦屋になろうとしている。
もう少し小さい家々では、この草屋根をつづけて行くために、ユイという団結をつくっていた。ユイは土地によって萱講とも、また萱無尽ともいう者があるが、その目的はできるだけ少ない萱野から、組じゅうの屋根の萱を得ようというにあった。