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こどもふどき
こども風土記・母の手毬歌
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《こども風土記・母の手毬歌(こどもふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 142,761 字 · 278 頁
棒はあるいは半分は武器であったと、いうほうがあたっているかも知れない。そくざに敵をふせいで荷物を保護し得るという、たった一つの長処をのぞいては、以前さかんに行われた背負繩の運搬の、かわりになるだけの力はもっていなかったのである。それがどういうわけで古いころから、ともかくも交通の用に供せられていたかというと、人の背なかでは運びにくいものがいくつかあって、それだけは棒が引受けていたのである。たとえば大きな櫃長持の類、なかにはいった物をかたむけたり曲げたりしてはならぬ場合、ことに清浄をたもって雑人の身に近づけたくない品物などは、しばしば六尺よりももっと長い棒のなかほどにゆわえつけて、平らにして持ち運ぶひつようがあった。神の御輿とか貴人の手輿とかになると、二本の棒をあわせてその上にのせて舁き、できるだけ土から遠くしようとしており、今でも物によると天井持といって、棒の下に通して舁くことがまれにはある。もちろんこれには二人以上、ときとしては四人も六人もの力をあわせるので、一人ですむということはぜったいになかったのみならず、急な坂だったら前がつかえるので、こういう運搬はまず不可能で、利用の道ははじめからかぎられていたのである。