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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
線上閱讀徳冨 健次郎《みみずのたはこと(みみずのたわこと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 265,437 字 · 530 頁
小さな握拳の指の間から、ちら/\碧い光を見せて居る。
皆近所の子で、先夜主人が「ミゼラーブル」の話を聞いて息をのんだ連中である。
「螢を捕ったね」
「え」
と一人が云ったが、
「あ、此れに這わせて見べいや」
と云って、縁先に据えてある切株の上の小さな姫蘆の橢円形の水盤へ、窃と拳の中のものを移した。
すると、余の子供が吾も吾もと皆手を水盤の上に解いた。水を吹いた小さな姫蘆の葉の上、茎の間、蘆の根ざす小さな岩の上に、生きた、緑玉、碧玉、孔雀石の片がほろ/\とこぼれて、其数約二十余、葉末の露にも深さ一分の水盤の水にも映って、光ったり、消えたり、嬉しそうに明滅して、飛び立とうともしない。
「綺麗だ喃」
「綺麗だ喃」
皆嬉々としてしたり貌にほめそやす。
「皆何してるだか」
云って、また二人男の子が草履の音をさせて入って来た。
「あッ綺麗だな、俺がのも明けてやるべ」
と云って、また二人して八九疋螢の島へ螢を放った。
主人と妻と逗留に来て居る都の娘と、ランプを隅へ押しやって、螢と螢を眺むる子供を眺める。田圃の方から涼しい風が吹いて来る。其風に瞬く小さな緑玉の灯でゞもあるように、三十ばかりの螢がかわる/″\明滅する。