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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁
と、思った時、辻番所で、四ツ本が
「今日のうちにも、追放する」
と、いった言葉を思い出した。
「親爺、いくらだ」
庄吉は、急いで、財布を出した。そして、それを口にくわえて、紐を解いていたが、じれったくなってきたので
「この中から取ってくれ」
がちゃんと、財布を板の上へ投げ出して、門の方ばかり眺めていた。
「ええ、確かに、二十三文頂きました。お改め――旦那、お改めなすって――」
庄吉は、返事もしないで、財布を懐へ押込んだ。六人の後方から、長持が、小箪笥が、屏風が、箱が――次々に、軒下の片隅へ、一人一人の手で、運ばれて来た。六人は、その側に立っていた。庄吉は
「有難う」
と、いった亭主の言葉を、耳では聞いたが、何をいわれたのか判らないくらいに、軒下の人と、品物とを、凝視しながら、雨の中へ出た。小走りに、泥溝のところへ行って、夜色の中にまぎれながら、表門の出窓の下へ入った。そして、雨を避けている人のように、しゃがみ込んでしまった。
六人は、黙って立っていた。品物が、かなり、積み重なって、小者達が、もう出入しなくなると、一人の士が、六人に
「明朝まで、ここへ、差許す。