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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁

青空文庫

さっても、見事な若衆振り

「そう――それ、紫手綱で」

富士春は、少し崩れて、紅いものの見える膝へ三味線を乗せて、合の手になると、称めたり、戯談をいったりして、調子のいい稽古をしていた。

表の間の格子のところで、四人の若い衆が、時々富士春を眺めたり、格子の外に立っている人を、すかして見たりしながら、四方山話をしていた。

「その毛唐人がさ、腰をかけるってのは、膝が曲らねえからだよ。膝さえ曲りゃあ、ちゃんと、畳の上へ坐らあね」

南玉が、表の格子をあけて、提灯の下から

「今晩は――益満さんは?」

「まだ見えていないよ」

「そうかい、もう見えるだろうが、見えたら、これを渡して」

と、風呂敷包を置いて、出かけようとする後姿へ

「先生、一寸一寸」

「何か用かの」

「毛唐の眼玉の蒼いのは、夜眼が見えるからだって、本当かい?」

「話説す。目の当り、奇々怪々な事がありやした」

「又、諸葛孔明が、とんぼ切りの槍を持ってあばれたかの」

「怎生、これを何んぞといえば、呼遠筒と称して、百里の風景を掌にさすことができる、遠眼鏡の短いようなものでの。つまり、毛唐人の眼は夜見える代りに、遠見が利かん。