輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《私本太平記(七)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 330,262 字 · 662 頁
くるしげな彼の立場と腹の中が鏡にかけてみるようにわかる気がするのであった。
ややあって、尊氏は、こころもち胸をただした。
さしうつ向いていたうちに、その苦渋を顔から除っていたのか、はしなく具光の眼と見あった眸は、細ッそりと笑みを描き、頬の薄らあばたまでがこの人特有な茫とした愛嬌をたたえて、何の屈託顔でもなかった。
「いや両三日が間は、旅のおつかれを休め、まためったには東国への御下向もありますまいから、鎌倉あたりの御見物もなされませい。……それにせよ、尊氏が返答如何にと、重き御使を胸につかえておられたのでは、心から東景色もお楽しみのお眼には入るまい。その儀はどうぞ御安堵あって」
「では」
と、具光は意外そうに。
「お召には、否やなく、ご承諾と仰せられるか」
「勅。なんで否やがありましょう。さきごろ、みゆるしも待たず、急遽、六波羅を出てまいりましたのも、もしその果断を取らなかったら、今日の勝利もなく、尊氏は弟直義を失い、都は北条遺臣軍の包囲を見、天下の再乱、君のおん大事は必至と、憂えられた以外、何の私心でもございません」
「ごもっともじゃ。さればその儀については、君もさらさら、お咎めではおわしまさぬ。