輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《私本太平記(七)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 330,262 字 · 662 頁

青空文庫

七歩ノ詩とは。

――みな沈黙におちたが、訊きかえす公卿はない。

正成も説明はしなかった。なまじな説明はかえって反感をかうだろう。異国の文藻や学問なら人後に落ちぬとする誇りは公卿の誰もが持っている。

魏の文帝の時代だ。

文帝はかの三国志中の梟将、曹操の子であり、父曹操の帝位を受けたひとであるが、弟の曹植は、素質性行、兄とはまるでちがっていた。

つまり風流子というものか。諸般の芸事には通じ、詩藻ゆたかで、文学の才華はなみならぬものだが「――戦はごめんだ」と、つねに言って、軍事は嫌い、政治にはそっぽを向き、兄の文帝とも事々うまく折合わず、その人生観でも兄弟はまったく両極の人だった。

だが、世は戦雲の下。呉は蜀と同盟して、魏の洛陽を衝かんとし、曹操の建業も一朝の間かとあやぶまれていたような秋である。いかに自分の弟だからといえ、詩ばかり作って超然と逸人の境を独りたのしんでいる曹植を、諸臣のてまえ、文帝もついにはこれを黙視してはいられなくなった。

或るとき。一閣の内に弟を呼びつけて。

「植。きさまは父帝の遺業をわすれたか。今をどんな時だと思う。今日かぎり詩作はやめろ、筆を捨てて剣をとれ」