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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《私本太平記(七)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 330,262 字 · 662 頁

青空文庫

だが、市井の目が、そのまま真相を映すかといえば、これもそうとはかぎらない。

激動中の表裏には、怪奇複雑なかけひきやら、政治的な離合なども、さまざま、波の底にはおこなわれている。

一時、菊池党と結んだ少弐、大友の二党も、やがて建武新政の両三年を経て来るにしたがって、いつかまた、水と油の反目をみせだしていた。

元々、九州九ヵ国の諸豪は相譲らぬ対立を持していたし、またとくに、少弐、大友の二氏は、菊池党とはまったく違う時勢観と利害の上にも立っていた。

それというのも、ひとつには尊氏の遠謀だった。少弐、大友などが、尊氏と密盟を持ったのは、きのうや今日のことではない。まだ尊氏が六波羅にいて、六波羅奉行の腕をふるっていた建武初年の頃からであった。

当時、都に在番の少弐、大友、島津らの子弟はみな、

「足利殿の人物は大きい。新田殿とは比較にならぬ」

と、帰国の都度、郷党の者へ語りつたえる風だったのである。

もちろん、遠謀に富む尊氏は、そのころから筑紫諸党へたいしては、かくべつ政治的便宜をはかり、またあらゆる好意を送っていた。で事々、筑紫の武族間には、

「なるほど」

と、こころよく受けとられ、同時に、