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めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
線上閱讀井上 円了《迷信と宗教(めいしんとしゅうきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,147 字 · 298 頁
。これに反して無形の幽霊とは、目に形体を見ざるも、耳に語声をきき、あるいは足音を聞き、あるいは触覚上、亡者の体重を感ずるがごときをいう。世間の俗説には、幽霊が寺に参り、戸を開き、鐘をたたくなど種々の音を聞くも、その形を示さざることありと信ずるなり。また、これらの幽霊の、一人の感覚のみに現ずるものと、衆人の耳目に現ずるものとの二種あり。左に二、三の例を挙げて示すべし。まず有形的幽霊の、一人に限りて見たる例を挙ぐれば、
『新著聞集』巻五に曰く、「江戸柳原の酒屋市兵衛という者の妻、天和三年の夏みまかりしに、そのころのある夕暮れに幽霊現れて下女が袖を引きしかば、あなかなしやと伏し倒れ呼びしに驚き、人寄りて見れば絶死せり。顔に水をそそぎ呼びけるに、辛うじてよみがえりし。しかるに、かれが片袖切れてなかりしかば、不審して翌の朝、亡妻の塚に詣で見れば、かの袖、石塔の上にかかりてありしとなり」
群馬県、福地載五郎氏の報に曰く、「予が産地は上州前橋なるが、同地の縁家に予と同齢の男子某あり。予は父の四十二歳のとき生まれしより、仮に捨て子とせられ(俗に四十二の二つ子と称して、四十二歳の人の子はわざわいありというによる)、某の父を拾い親と定めしことあり。