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めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
線上閱讀井上 円了《迷信と宗教(めいしんとしゅうきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,147 字 · 298 頁
加うるに予が母、乳に乏しかりしため、某の母に乳養せられ、十二、三歳のころまでは常に相往来し、予と某とはあたかも真の兄弟のごとくに交われり。しかるに予、十三歳のとき入京し、某と相見ざること数年の後、一度帰郷せしことありしも、当時、某はある県立学校に入学してありたれば、ついに面会するを得ず。交情ようやく疎にして、今は他人と異なることなきほどまでになりたれば、某を思うことかつてなかりしが、明治十六年の暑中に、一日のひまを得て郊外を散歩せしに、途中にて図らずも某に邂逅し、種々笑談の後、某の著しく衰弱せるをあやしみ、その所由を問いしに、某は過般来、脚気症の気味ありしが、夏期に至り病勢増進して、一時は歩行することあたわざるまでに至りしゆえ、湯治を兼ねて某所へ転地せり。その後ようやく軽快に向かい、一昨夜帰宅せしくらいなれば、病余の疾憊なお全く癒えざるなりと語りしによりて、はじめて某の病気にてありしを知り、なお大切にすべしといいて別れ、午時家に帰りしに、某の家より信書至る。すなわち開きて見れば書中、『某、永々病気のところ、療養ついにその効なく、昨夜死去、云云』の語あり。