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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(三)酒屋火事(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 146,725 字 · 298 頁

青空文庫

笹野新三郎はこう言うのです。

その翌る日。

「親分、良い智恵があります」

ガラッ八はニヤリニヤリとしております。

「どんな智恵だ」

「待っておくんなさい」

八五郎は即刻飛出すと、糊売り婆アの店へ駆けつけました。

十手と捕縄と、啖呵と、長い顔と、あらゆる攻め道具を試みましたが、婆アは、遠藤左馬太に買収されたとは言ってくれません。

さすがのガラッ八も、責め草臥れて、すごすごと帰った晩、また一つ大変なことが起ったのでした。

事件がクライマックスまで盛上がったのは、その翌る日の朝。

「大変ッ、親分」

朝の陽と一緒に飛込んで来たのは早耳のガラッ八です。

「また大変か。何があったんだ」

平次はまだ顔を洗ったばかり。朝の煙草と、駄盆栽を楽しんでいる最中です。

「また両国橋へ死骸がブラ下がりましたよ」

「なんだと、八」

平次の意気込みは猛烈でした。

「今度は無傷だが、締め殺された男ですぜ」

「誰だ、それは」

「佐原屋の茂吉ですよ」

「それで下手人が判った。来い、八、逃げられちゃ大変だッ」

平次は何もかも投り出して、疾風のごとく飛びました。続くガラッ八、これは何が何やら少しも解りません。