輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(三)酒屋火事(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 146,725 字 · 298 頁
「それは解るもんか」
「その上、吹矢筒の吹口には、女の口紅が付いていたって言いますぜ」
「何だと、八」
「それお出でなすった。この一件を打明けさえすりゃ、親分が乗り出すに決まってると思ったんだ」
ガラッ八はすっかり悦に入って内懐から出した掌で、ポンと額を叩きます。
「八、そりゃ本当か。無駄を言わずに、正味のところだけ話せ」
「正味もおまけもねえ。吹矢筒の吹口に、こってり口紅が付いているんだ。その上、吹矢が飛んで来た時、外に居たのは嫁のお冬だけ。疑いは真一文字に恋女房へ掛って行くから、又次郎にしては気が気じゃねえ」
「フム」
「銭形の親分にお願いして、何とかお冬の濡れ衣が干してやりてえ、あの女は、そんな大それたことの出来る女じゃねえ――って言いますぜ」
「誰しも手前の恋女房を悪党とは思いたくなかろう。ところでガラッ八、その吹矢は一体誰のだえ」
「それが可笑しいんで――」
「何が?」
「親分も知っていなさるだろうが、田代屋の総領というのはあの水道端の又五郎って、親仁にも弟にも似ぬ、恐ろしい道楽者だ」
「そうか、あの水道端の又五郎は、田代屋の倅か」
「それですよ親分、十年も前に勘当されて、しばらく海道筋をごろついていましたが、一年ばかり前、芸妓上がりのお半という女房と、取って八つになる、留吉という倅を伴れて帰って来て、図々しくも、田代