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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(三)酒屋火事(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 146,725 字 · 298 頁

青空文庫

「まずそう考えるのが筋道だろうな」

「田代屋が一とまず片付けば、次は同じく忠弥を訴人した本郷弓町の弓師藤四郎、続いては返り忠して御褒めに与った奥村八郎右衛門を始め、御老中方お屋敷へも仇をするものと見なければなりません」

「その通りだよ平次」

「また浪人どもを狩り集めて、謀叛を企てる者がないとも申されません――」

「いや、そこまではどうだろう」

「それにしても不思議なのは、あの毒薬でございます。医者の申すには、町の生薬屋などに、ザラに売っている品ではない、たぶん南蛮筋の秘法の毒薬でもあろうかと――」

「平次、お前はあの事を知らなかったのか」

「とおっしゃいますと」

「田代屋一家の騒ぎは大した事ではないが、私にはその毒薬の出所の方が心配だ」

「…………」

「平次、これはお上の秘密で、誰にも明かされないことになっているが、心得のために話してやろう。漏らしてはならぬぞ、万々一、人の耳に入ったら最後、江戸中の騒ぎにならずには済むまい」

「ヘエ――」

笹野新三郎は自分も膝行り寄って、平次を小手招ぎました。

「丸橋忠弥召捕の時、麻布二本榎の寺前の貸家に、三百三十樽の毒薬が隠してあった。