輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(三)酒屋火事(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 146,725 字 · 298 頁

青空文庫

「こんなわけですよ親分、叔父の孫右衛門が取込んだ私の親の金は、三千両や四千両じゃありませんが、大負けに負けて二千両で我慢しましょう。この金と妹のお梅を、目黒に住んでいる親切な乳母のところへ送り届けた上で、私は恐れながらと名乗って出る積りでしたよ、親分お目こぼしを願います」

「…………」

「二千両は叔父の金じゃなく、それも賭博の元手なんぞにする気は毛頭ありゃしません。親分、妹のこの様子を見てやって下さい。この乞食の子よりも劣った様子をしているのが、黒木長者の姪で、取って十五の、恥ずかし盛りの娘じゃございませんか」

五位鷺の秀は、ガックリ首を垂れて、ほうり落つる涙を払いました。妹のお梅は、提灯の灯から遠く、ぼろをつくねたように踞んだまま泣き濡れております。

「秀、よく解ったよ。手前がこれをキッカケに真人間に返れば、俺は何にも知らないことにしてやろう。千両箱は多分、湯釜の中で茹っているはずだ、急いで行きな」

と平次。

「それも御存じで」

「何もかも解ったよ」

「親分、有難うございます、この御恩は」

「まア、いいやな」

平次はガラッ八を促して、それっきり後ろも見ずに、江戸へ引揚げました。