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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(二)八人芸の女(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,562 字 · 291 頁
「人が悪いなア。――お喜多が下手人でないと解っていたら、なんだってまた止めてくれなかったんです」
「あの時は俺にも解らなかったんだよ。お喜多を縛らせて、様子を見たかったんだ」
「驚いたなア」
ガラッ八はすっかり凹んでしまいました。
「それで、どうしようと言うんだ」
「もう一つ困ったことがあるんで――ツイ二三日前、親分はあっしのお袋の噂をしていましたろう」
「ウム」
「そのお袋がやって来て、――お前橋場のお喜多を縛ったって言うじゃないか。とんでもない。あの娘は私の師匠の娘で言わば恩人だよ。踊りも器量も申分のない人だが、少し浮気っぽいから、若い男に見せちゃ毒だと思って、お前には黙っていたが、それを縛っちゃ、知らなかったでは済まされないよ――とこう言うんで」
「それはよかった」
「ちっともよかありません」
「浮気っぽいから、倅に逢わせないという親心が嬉しいじゃないか」
「親分、冗談は冗談、本当に何とかしておくんなさい。親不孝は仕馴れているが、綺麗なのを縛っておいちゃ、男冥利が悪い」
「馬鹿野郎、なんて口の利きようだ」
こんな事を言いながらも、平次はガラッ八の親思いを知りつくしております。