輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(二)八人芸の女

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(二)八人芸の女(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,562 字 · 291 頁

青空文庫

たぶん先代総七が思いがけぬ利分や、小遣の残りを投げ込んで、甥のために遺しておいたものでしょう。

「おや? これは?」

茣蓙へ一番近く坐っていた平次は手を差伸して、一枚の銭を拾い上げました。

「大仏銭のようだが――」

詰草の寛永通宝に交って、たった一枚、真新しい文銭、――それは昔々徳川家康が鐘銘に文句を付けて、豊臣家を困らせ、大坂夏の陣の原因になった方広寺の大仏を、寛文二年(一六六二)三月、潰して鋳た有名な文銭――だったのです。

寛文二年というと、ツイ一昨年の春、この瓶を埋めた先代総七が死んでから三月も後のことです。死んで三月後に新鋳された文銭が、この瓶の中に紛れ込んでいるとはどうしたことでしょう。

「みんな菊之助の細工だ。文銭が一枚紛れ込んだのは天罰というものだ、遺言状などは偽物に決った」

後ろから勝造がわめき立てます。物に我慢のない勝造はもう勝ち誇った気持で、じっとしては居られなかったのです。

親類方も腹の中では勝造に同意してしまいました。こうなっては、遺言状などは見ても見なくても同じことですが、念のため一同立会いの上目を通すと、――自分の死後、養子の千吉(後の総七)に宛てたいろいろの指図で、菊之助がお粂と別れたら、この瓶の中の金の外に、家作地所を三分の一ほど分けてやるように、もしまた、お粂と一緒なら、この