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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Read 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) by 国枝 史郎 (くにえだしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 335,908 characters · 669 screens

Aozora Bunko

「女賊ばかりで党を組み、小さい山寨も持っております。……さあ今度はお前がお宣り」

「俺か、俺ア人丸左陣だ!」

「おやマアそうかえ、人丸左陣! 道理でほんとにいい男だよ」

「いい男とは嬲り物だな」

「天地人の三左陣、みんな立派な大泥棒、わけても人丸左陣と云うのは年の若いに思慮があって、それに美男だと聞いていたが、ほんとに噂に偽はない。……妾は何んだか恥ずかしくなったよ」

「恥ずかしいも気恥ずかしいくらいだ。……ところで、これからどうしよう?」

「どうしようとはどうするのさ?」

「夫婦で行くか? 他人で行くか?」

「アレ何んだろう、馬鹿らしい、もう他人じゃないじゃないか」

「アッハハハ」

「これからお前さんどうする気?」

「まさか甲州へも行かれめえ」

「おやまだ甲州を云っているよ」

「おいお銀! ではない小銀さん!」

「何んだねえ、ほんとに情なしだよ。やっぱり妾アお銀がいいよ」

「おお、そうか、じゃお銀!」

「あい、何かご用ですの?」

「俺には一つの望みがあるのだ」

「それを聞こうじゃありませんか」

「お前を玉に使いてえのさ」

お銀を引き寄せ、人丸左陣は、何か耳に囁いた。

意外の上使

黒姫の山の奥にも人ぞ住む仏法僧の啼くにつけても