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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Read 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) by 国枝 史郎 (くにえだしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 335,908 characters · 669 screens
大砲鋳造法
非常に威力ある武器を造る! ご老師の広大無辺の智恵で威力ある石火矢を造って戴く! と云う事でござります」
「うむ」
とオースチン師は審しそうに、相手の顔を見詰めたが、
「石火矢! すなわち、大砲じゃの! さよう大砲鋳造法も愚老いささか心得てござるが、その大砲を造るという事が、どうして平和に役立ちまするかな?」
すると武者所鬼王丸は得意気に莞爾と笑ったが、
「絶対に敵対出来ぬという、威大の什器が造られましたならば、四方に割拠する武将達も到底及ばぬ事を知って、自ら兵を収めます筈」
「まずしばらくお待ちくだされい」老師はこう云って遮った。「なるほどお話には一理ござる。絶対不可抗力の武器が出来ましたら、その武器を手に入れた武将こそ、天下を平定なさるでござろう。それには愚老も同感でござる。それにはなはだおこがましくはござれど、この日本の現在の兵法なんど一挙に葬り尽くすに足る、大石火矢! 大攻城砲の、鋳造法も心得てござる! なれどもかようの凄じき武器は、迂濶には造ることなりませぬ。如何となればさようの武器が、もしも愚将の手に入るか残忍なる人間の手に入りましたら、それこそ日本は益※(二の字点、1-2-22)乱脈、人々塗炭に苦しむからでござるよ!」