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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Read 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) by 国枝 史郎 (くにえだしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 335,908 characters · 669 screens
ただ謹んでお指図のままに立ち働くつもりでござります」
「うむ、よく申した、そうなくてはならぬ。我今回の行いには深い仔細があるのであって、いずれは明らかに解かるであろうぞ……大忠を行おうと欲する時は大奸の身にもならねばならぬ。そこが大丈夫の苦しむところじゃ……それはとにかくそちと一緒に、走って参った男女の者、あの人々は何者じゃ!」
「あの人達にござりますか」右門は元気を声にこめ、「いずれも勇士にござります。して一人は木村常陸介殿、一人は中御門山尾殿、お二人ながら法術の達人、それゆえ礼を厚うして我らの味方に請い受け申して、お連れいたしましてござります」
「ほほう、法術の達人とな。それは何より味方の幸福。今は道中故ご免を蒙り、いずれ式体は城中にて、その時ご身分をもお聞き申そう。名に負う法術の達人を二人までお連れ致したるは、右門、そちの手柄であるぞ。いかにしてお二人と邂逅し、どうしてお二人を味方に頼み、ここまで馳せつけ参ったか、必ず興多い手柄話も幾個かあろうと思うておる。それも城中にて聞くとしようぞ」
こう云い放すと甚五衛門は再び本陣へ駒を返し、サッと采配を揮ったのである。