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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Read 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) by 国枝 史郎 (くにえだしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 335,908 characters · 669 screens
「なぜお前達一族は我々の仕事を邪魔するか?」
大物主は威猛高に叫んだ。貴族一流の威嚇をもって賤民と蔑視する「獣人」を圧伏しようとするのであった。
「ふん」と梟帥は嘲笑した。それから巨腕を胸へ組んだが、「お前さん達のやり口が、俺らの胸に落ちないからさ」
「ナニ胸に落ちないとな? 何がいったい胸に落ちない?」
「万事万端が胸に落ちねえ。うんそうだとも、万事万端がな」
「これこれ何んだ、その言葉使いは!」
こう横から口を出したのは、侍従頭の吉備主であった。
「ご領主に向かって何んということだ。もっと言葉を謹しむがいい」
「馬鹿野郎!」と突然荒玉梟帥は、牛のような声で怒鳴り付けた。「領主とは何んだ、篦棒め! そっちが領主ならこっちも領主だ! 俺は『獣人』の酋長だからな。……麗人も糸瓜もあるものか。同じ駒ヶ岳の住民じゃねえか」
「よいよい」
と領主は急いで止めた。「それは末の問題だ。少くとも直接の問題ではない。……で、話を進めよう。梟帥、お前はどうあっても、妨害の手を緩めないつもりか?」
「そうさ、お前達のやり口が、これまでと変わらぬ以上はな」
「ところで俺達のやり口が、どうお前達に不満なのかな?」