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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Read 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) by 国枝 史郎 (くにえだしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 335,908 characters · 669 screens
こうして山上の麗人国へ、蛮族の群ははいって行った。
まず第一の城門を潜り、つづいて第二の城門を潜り、宮殿の方へ進んで行った。
麗人国の住民にとっては、これは素晴らしい見世物であった。人々は家々の門口へ立ってその行列を見送った。「美」を愛する彼らにとっては、この行列は「醜」の極であった。
で、彼らのある者は、拳を握って憤慨した。
「これは侮辱だ! これは冒涜だ!」
そうは云ってもこの行列は、たしかに彼らには面白かった。
で、ある者は喝采した。
「百鬼夜行だ! 百鬼夜行だ! なんて素敵もない名画だろう!」
獣人族は平気であった。一切耳を藉さなかった。うんと威張って進んで行く。
こうしてとうとう一隊は、宮殿の前庭まで入り込んだ。
大玄関には麗人達が、礼儀を作って並んでいた。いずれも城の役人達で、みんな式服を着していた。
馬から下りた荒玉梟帥は、つかつかと前へ進み出たが、
「嫁迎いだ! 嫁迎いだ! 獣人の酋長荒玉梟帥、自身受け取りに参ってござる!」吠えるように云い入れた。「いざ此方へ」と云ったのは、侍従頭の吉備主であった。
ワーッとばかりに獣人どもは、荒玉梟帥を先頭にして大広間の方へなだれ込んだ。