Japanese reading practice

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Read 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 125,671 characters · 252 screens

Aozora Bunko

そう聴くと、この殺傷は突発的なもので、其晩、此家に居た者の仕業と見る外はありません。

「岩三郎さんは人に怨まれるようなことは無かったでしょうか」

「いや飛んでもない、人に怨まれるような男じゃございません。鎌倉町の店の支配をさして居りますが、私とはまるっ切り気風が違って、自分の女房にまで捨てられるような弱気の男で――」

岩太郎は、弟の死骸の前に苦笑するのです。

「ところで、昨夜二階に居たのは、誰と誰ですか」

「私と、手代の才六と、奇月宗匠と、田屋さんと、篠崎さんと、それに殺された弟と女共が二人、お峰と、お滝で」

「他の者は?」

「下女のお角、下男の次六、外に手伝いが三人、板前の金三郎まで、お勝手に揃って居たそうです。この寮で養生して居る、甥の新吉だけは、庭に居た様子で、薪が足りないと下女のお角に怒鳴られて、物置へ薪を出しに行ったと本人も下女のお角も言って居りますが、鉈が見付からなかったので、薪を束ねた縄を切るのに、道具箱の中から切出し代りに使って居る、古い匕首を持って行ったと言って居ります。火事だッと聞いて驚いて物置を飛出すと、弟の岩三郎が梯子段の下で刺される騒ぎで、物置から飛出して来た新吉は、匕首を持って居たのが怪しいというので、駆けつけた三輪の万七親分に縛られてしまいました。