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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Read 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 125,671 characters · 252 screens
」
「――」
「ところが、お新は金が欲しさに戻って来た、そこで十両と奢んでやって喜ばせた上、後から追っ駆けて細引で締め殺した、が、細引から足がつくといけないと思って、改めてお新の荷物から真田紐を捜して来てそれを首に巻きつけ、細引は目印の赤い端っこを切り落して、藍染川の泥に突っ込んだ――多分細引に血か泥が付いて、そのまま持って帰られなかったことだろう」
「その上、切り取った赤い端っこを、丸くして紙と綿で包み、木綿糸を巻いて手鞠にかがった、が、尼還りのお通のところには、白と黒と青の糸しか無いから、あんな変なものになってしまった。――あの赤い端っこは最初焼き捨てる気だったかも知れないが、階下では湯島の吉とその子分が見張って居るから、糸屑を焼く隙も無かったので、手鞠にかがることを思い付いたのだろう」
「――」
「そこで姪のお雪の手箱に突っ込んで置いたのは思い付きだが、本当にお雪が拵えたものなら、赤い糸も黄色い糸も使わなきゃならない――そこが巧んだようでも大きい手落ちだ」
「――」
「しかし、あの手鞠のかがりようは、器用で確りして居たから、どう見ても女の手際だ、決して男の仕業では無い、あの家でそんな事の出来るのは、お通の外には無いじゃないか」