Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Read 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 142,597 characters · 289 screens

Aozora Bunko

二

容易に人を縛らぬ銭形の平次が、こんな戦闘的なことを言うのは、妙な手紙に苛立っているためでしょう。

「そうおっしゃられると、極りが悪くなりますが、大変なことが出来たんです。親分、聞いて下さい、こういうわけ――」

二

お品の家のツイ近所に住む、お勢という素姓の知れない年増女が、いきなり今朝飛込んで来て、

「石原の親分、ちょいと来てみて下さい、大変な事が起ったんです」

眼の色を変えて言うのです。折悪しく、利助は持病で昨夜から枕も上がらぬ有様。娘のお品は、岡っ引の真似をするわけではありませんが、ともかく、行ってみると、

「お品さん、お前さんは親分より見込みが確かだって評判だから、是非探して下さいな。私の大事の大事の、命より大事の手箱が無くなったんだから」

命より大事の手箱と言う以上は、男の手紙とか、臍繰りとか、独身女相応のものが入っているだろうと思って訊くと、それは大違いで、

「中には、海雲寺様の富籤が一枚入っているんです、鶴の一千二百三十四番の札で」

「外には」

「外には何にもありゃアしませんが、その富札が当ると千両になるでしょう、お品さん、どうか探し出して下さい、あれが無いと、私は命がなくなるかも知れない」