Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
「いい旦那が出来たって?」
「わたしたちなんぞはいずれもこんな御面相だから、誰もかまってくれる人はないけれど、君ちゃんは容貌よしだから、忽ち旦那が附いちまったんだよ」
「そんなはずはあるめえ、そりゃ嘘だ」
米友は、いよいよ一心になりました。一心になればなるほどその態度が滑稽になりますから、人の悪い美人連は、そんなに悪い気分ではないけれど、ついついからかいがあくどくなってゆきます。
「第一、ここに君ちゃんのいないのが何よりの証拠じゃないか。ほんとにあの人は仕合せ者だよ、甲府の御城内でお歴々のお方を擒にして、今は玉の輿という身分でたいした出世なのに、わたしたちなんぞは、いつまでもこんな稼業をしていなけりゃならない、ほんとに君ちゃんを思うと羨ましくてたまらない」
口から出まかせにこんなことを言いましたのを米友は、そんなことはないと思いながらツイツイ釣り込まれて、
「ナニ、君ちゃんが俺らに相談なしで、そんなことをするもんか、俺らがちゃんと附いてるんだ」
ウカウカと米友がこう言ったのが、美人連の笑いを買いました。
「ホホホホ、そうでしたねえ、君ちゃんには米友さんが附いているんでしたねえ、こんな色男を捨てて君ちゃんも罪なことをしたものさ」