Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

駒井能登守の一行はその晩、猿橋駅の新井というのへ泊りました。がんりきの百は一間へ引据えて置いたが、息の絶えるほど弱っているのだから、縄をかけるまでもあるまいと、与力同心は油断をしてそのままで置きました。

「鳥沢の粂という者を呼んで、ともかくもこの男と突き合せて見給え」

能登守は命令の形式でなく、どうでもよいことのようにこう言って引込んでしまいました。

与力同心の連中は、ちょうど慈恵学校の生徒が解剖の屍体をあてがわれたような心持で、がんりきの再調べに着手すると共に、いわゆる鳥沢の粂なる者を引き出そうとしました。

ところが粂はただいま外出して行方が知れないという返事であったから、更にその行方を厳しく詮索させることにして、一方にはがんりきの百を三度目に引き出して調べてみました。いろいろにして泥を吐かせてみようとしたけれども、前と同じように百はいっこう口を開きません。あんな目に遭わされて、相手の罪を訴えないことがだいいち不思議であります。

「なあに、俺が悪かったんでございますから、殺されたって仕方がねえんでございますから」

と言ったきり。

「貴様は、たいそう足の早い奴だな」