Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
「へえ、歩くのは達者でございます」
「貴様は片腕が無い、それはどうしたのだ」
「これは怪我をしたから、お医者さんに切ってもらったんでございます」
「貴様は髪結渡世だと言ったが、その片腕で髪結ができるのか」
「へえ、両腕の揃っていた時分に叩き込んでありましたから、まだそれが片一方の方へいくらか残っているのでございます、けれども碌な仕事はできませんからこのごろは職人任せでございます」
「貴様は身延へ参詣に行くのだと申したがその通りか」
「左様でございます。お祖師様を信心致しますから、それで身延山へ参りてえと思って出かけて参りましたんで」
「身延の道者ならば講中とか連とかいうものがありそうなもの、一人で出て歩くというは怪しからん」
「それが、なんでございます、俺共は何の因果か人並みより足が早いんでございますから、講中の衆やなんかと一緒に歩いていた日にはまだるくてたまりません、それでございますから、どこへ行くにも一人でトットと出て行くんでございます」
「貴様が手形をもっておらんというのがどうしても怪しい、所、名前をもう一度そこで申してみろ」
「先にも申し上げた通り、手形を持っていたんでございますが、あの橋の真中へ吊される時に下へ落っこってしまったんでございます、桂川の水の中へ落してしまったんでございます。